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第三章 体が熱くなってくるのは、アルコールのせい15

Penulis: ひなの琴莉
last update Terakhir Diperbarui: 2025-01-17 14:32:21

「どちらかというと俺が惚れ込んでるんです。俺にはアイツしかいない」

真剣な一言に社長室はシーンとなる。

そして、黒柳がゆっくりと口を開く。

「大樹がそんなに必死になるなんてな。笑える。解散はしたくない。だから、大樹があの子を選ぶなら俺と赤坂は応援するしかないと思う」

その言葉に驚いて黒柳を見ると不安そうだけど優しい目をしていた。

「俺らだって人間だし、一般人の子を好きになることもあるから……」

「まあな」

赤坂が言うと社長は眉尻を下げた。

「過去に悲しい思いをさせて悪かっただと思ってたんだ」

黒柳が言うと赤坂もうなずいた。

「あなたたちが結束すると……強いのよね」

半分諦めたような言い方だった。

「ただ……美羽は俺のことをどう思っているかわからないから……」

「どうして、そんなこと思うの?」

俺の次の言葉にみなの視線が集まる。

「素直に打ち明けますね。美羽と別れてから……男として機能しないんです」

正直に告げると皆、息を飲んだようだ。

隠す必要は何もない。誰にも言えなかったからスッキリした。

「そうだったの……」

社長は深刻そうな顔をして立ち上がって窓際まで歩いて行く。

「俺はそれでも一緒にいたいけど、美羽は年齢的なことも考えて子供を作れる人と結婚したいと思っているかもしれない。そうだったとしたら、俺は一生独身でいるつもりです」

自分の意志は固い。

誰に何を言われようが気持ちは曲げないつもりでいる。

「地位を手に入れた代わりに、深い傷を負ってしまったのね」

社長の悲しそうな声が耳に届いた。池村はうつむきがちに黙って立っている。

「遅くまでお疲れ様。また話し合いをしましょう」

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    美羽side結婚パーティーを無事に終えることができ、私は心から安心していた。 私と大くんが夫婦になったということをたくさんの人が祝ってくれたのが、嬉しくて ありがたくてたまらなかった。 しかし私が大くんと結婚したことで、傷ついてしまったファンがいるのも事実だ。 アイドルとしては、芸能生活を続けていくのはかなり厳しいだろう。 覚悟はしていたのに本当に私がそばにいていいのかと悩んでしまう時もある。 そんな時は大きくなってきたお腹を撫でて、私と大くんが選んだ道は間違っていないと思うようにしていた。自分で自分を肯定しなければ気持ちがおかしくなってしまいそうになる。 あまり落ち込まないようにしよう。 大くんは、仕事が立て込んでいて帰ってくるのが遅いみたい。 食事は、軽めのものを用意しておいた。 入浴も終えてソファーで休んでいたが時計は二十三時。 いつも帰りが遅いので平気。 私と大くんは再会するまでの間、会えていない期間があった。 これに比べると今は必ず帰ってくるので、幸せな状況だと感で胸がいっぱいだ。 今日は産婦人科に行ってきて赤ちゃんの性別がはっきりわかったので、伝えようと思っている。手作りのケーキを作ってフルーツの中身で伝えるというささやかなイベントをしようと思った。でも仕事で疲れているところにそんなことをしたら迷惑かな。 でも大事なことなので特別な時間にしたい。

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    「そんな簡単な問題じゃないと思う。もっと冷静になって考えなさい」強い口調で言われたので思わず大澤社長を睨んでしまう。すると大澤社長は呆れたように大きなため息をついた。「あなたの気の強さはわかるけど、落ち着いて考えないといけないのよ。大人なんだからね」「ああ、わかってる」「芸能人だから考えがずれているって思われたら、困るでしょう」本当に困った子というような感じでアルコールを流し込んでいる。社長にとっては俺たちはずっと子供のような存在なのかもしれない。大事に思ってくれているからこそ厳しい言葉をかけてくれているのだろう。「……メンバーで話し合いをしたいと思う。その上でどうするか決めていきたい」大澤社長は俺の真剣な言葉を聞いてじっと瞳を見つめてくる。「わかったわ。メンバーで話し合いをするまでに自分がこれからどうしていきたいか、自分に何ができるのかを考えてきなさい」「……ありがとうございます」俺はペコッと頭を下げた。「解散するにしても、ファンの皆さんが納得する形にしなければいけないのよ。ファンのおかげであなたたちはご飯を食べてこられたのだから。感謝を忘れてはいけないの」大澤社長の言葉が身にしみていた。彼女の言う通りだ。ファンがいたからこそ俺たちは成長しこうして食べていくことができた。音楽を聞いてくれている人たちに元気を届けたいと思いながら過ごしていたけれど、逆に俺たちが勇気や希望をもらえたりしてありがたい存在だった。そのファンたちを怒らせてしまう結果になるかもしれない。それでも俺は自分の人生を愛する人と過ごしていきたいと考えた。俺達COLORは、変わる時なのかもしれない……。

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